セグロアシナガバチの巣 - 1 / 序論

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セグロアシナガバチの巣をいただきました。2 つも。

詳細の前に、注意事項。

アシナガバチは刺されると危ないです。

今の時期はもう活動が盛んなシーズンに入ったので、巣には近づかないほうが無難。

巣を見つけた場合
・ハチ専用の殺虫剤を使うこと。
・殺虫剤を噴霧するのは、早朝か日が暮れてから。
・巣を除去しても戻ってくるハチがいるので、その都度駆除すること。

ちなみに、ハチ専用の殺虫剤と書いてあっても、スズメバチには効かないものもあるので殺虫剤を要確認。

詳しくは、ハチ専用殺虫剤の本体に書いてあるので、その説明書きを読んでくださいね。

以上、前置き。

以下、アシナガバチの生活史。初心者ざっくり説明。間違いありましたらご指摘お願いいたします。

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アシナガバチの生活史がミツバチと大きく異なる点。それは、たった一年で終わるということ。

どんなに大きな巣であっても、春に作り出して秋には終わってしまう。スズメバチも同じ。その間のダイナミックに起こる巣の変化が魅力の一つ。

[巣作り開始]

春になると、冬眠から覚めた母バチが一匹で巣作りをはじめる。巣を作り、卵を産み、幼虫にエサを与えることまで、全て母バチが一匹で行う。毎日 1個から2個の割合で巣室を増やし、母バチは平均で 15 ~20 室ほどの巣をつくる(* 1)。

この時期は、巣には母バチしかいないので危険度は低い。


[働きバチの羽化]

卵は18℃では 37 ~39日、20℃では 18 ~20日で孵化する(* 2)。孵化してから 2 週間ほどで、5 令幼虫になりマユを作って蛹になる(* 3)。マユを作ってから 20 日ほどで羽化。

母バチが一匹で巣作りを開始して およそ 2 カ月、初めての働きバチが誕生する。母バチが一匹で育てたため、最初の働きバチは一回り小さい(* 4)。初めての働きバチが羽化したら、母バチは産卵に専念し、幼虫の世話は働きバチが行う。

だいたい梅雨の終わりごろ。このころになると、巣には複数のハチが出入りするため、危険になってくる。


[ピーク時]

8月ごろになると、巣は一層大きくなりピークを迎える。大きな巣になると、アシナガバチでも巣室が 500 を超えることもあるそう。(* 5)

働きバチが盛んに活動し攻撃性も増すため、とても危険。ハチによる被害が多くなる時期。


[オスバチ、メスバチの誕生]

働きバチはすべてメスだが、通常は産卵はしない。

しかし、母バチが夏の盛りに死ぬと、働きバチが交尾を経ずに産卵をする。交尾せずに産まれた卵はすべてオスになる。

また、母バチが最期に産んだ卵は、次世代を担うメスバチになる。メスバチは、働きバチに世話をされておっとり育つ(笑)。(* 6)


[交尾そして冬眠]

秋に、オスバチとメスバチが交尾。メスバチは精子を蓄えたまま冬眠し、春になると出てきて一匹で巣作りを始める。メスバチ以外の、働きバチとオスバチは越冬せずに死ぬ。


--- 参考文献など ---

* 3 p 20
* 4 p 23
* 6 p 32


ハチのおかあさん (写真動物記)

小川 宏/新日本出版社

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フタモンアシナガバチの巣の様子を丹念にレポートしてある本。生き物のを観察する喜びにあふれた良本。
* 5 p 44



by e-sakamichi | 2018-07-13 02:00 | 生き物 | Comments(0)

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