セグロアシナガバチの巣 - 1 / 序論
2018年 07月 13日
セグロアシナガバチの巣をいただきました。2 つも。
詳細の前に、注意事項。
アシナガバチは刺されると危ないです。
今の時期はもう活動が盛んなシーズンに入ったので、巣には近づかないほうが無難。
巣を見つけた場合
・ハチ専用の殺虫剤を使うこと。
・殺虫剤を噴霧するのは、早朝か日が暮れてから。
・巣を除去しても戻ってくるハチがいるので、その都度駆除すること。
ちなみに、ハチ専用の殺虫剤と書いてあっても、スズメバチには効かないものもあるので殺虫剤を要確認。
詳しくは、ハチ専用殺虫剤の本体に書いてあるので、その説明書きを読んでくださいね。
以上、前置き。
以下、アシナガバチの生活史。初心者ざっくり説明。間違いありましたらご指摘お願いいたします。
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アシナガバチの生活史がミツバチと大きく異なる点。それは、たった一年で終わるということ。
どんなに大きな巣であっても、春に作り出して秋には終わってしまう。スズメバチも同じ。その間のダイナミックに起こる巣の変化が魅力の一つ。
[巣作り開始]
春になると、冬眠から覚めた母バチが一匹で巣作りをはじめる。巣を作り、卵を産み、幼虫にエサを与えることまで、全て母バチが一匹で行う。毎日 1個から2個の割合で巣室を増やし、母バチは平均で 15 ~20 室ほどの巣をつくる(* 1)。
この時期は、巣には母バチしかいないので危険度は低い。
[働きバチの羽化]
卵は18℃では 37 ~39日、20℃では 18 ~20日で孵化する(* 2)。孵化してから 2 週間ほどで、5 令幼虫になりマユを作って蛹になる(* 3)。マユを作ってから 20 日ほどで羽化。
母バチが一匹で巣作りを開始して およそ 2 カ月、初めての働きバチが誕生する。母バチが一匹で育てたため、最初の働きバチは一回り小さい(* 4)。初めての働きバチが羽化したら、母バチは産卵に専念し、幼虫の世話は働きバチが行う。
だいたい梅雨の終わりごろ。このころになると、巣には複数のハチが出入りするため、危険になってくる。
[ピーク時]
8月ごろになると、巣は一層大きくなりピークを迎える。大きな巣になると、アシナガバチでも巣室が 500 を超えることもあるそう。(* 5)
働きバチが盛んに活動し攻撃性も増すため、とても危険。ハチによる被害が多くなる時期。
[オスバチ、メスバチの誕生]
働きバチはすべてメスだが、通常は産卵はしない。
しかし、母バチが夏の盛りに死ぬと、働きバチが交尾を経ずに産卵をする。交尾せずに産まれた卵はすべてオスになる。
また、母バチが最期に産んだ卵は、次世代を担うメスバチになる。メスバチは、働きバチに世話をされておっとり育つ(笑)。(* 6)
[交尾そして冬眠]
秋に、オスバチとメスバチが交尾。メスバチは精子を蓄えたまま冬眠し、春になると出てきて一匹で巣作りを始める。メスバチ以外の、働きバチとオスバチは越冬せずに死ぬ。
--- 参考文献など ---
* 3 p 20
* 4 p 23
* 6 p 32
フタモンアシナガバチの巣の様子を丹念にレポートしてある本。生き物のを観察する喜びにあふれた良本。
by e-sakamichi
| 2018-07-13 02:00
| 生き物
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