反応 - 9 / パターン認識

--- 前回のはなし ---

自動思考はつねに行われているが、自覚していない。

よってまずは自動思考を自覚すること。
困ったら自動思考にストップをかけること。
そのうえで、自動思考を紐解き言語化すること。

自動思考の自覚と言語化の練習には、
・本を読む
・ドラマやアニメを見る
・書き出す

---

そもそも自動思考ってなんで起こるんでしょうね。これが次の問い。

自動思考はなぜ必要か?

スポーツを例に説明してみましょう。

バドミントンを初めてやる人の場合、どこに球がくるかわからない。ゆえに動きが遅い。

しかし慣れてくるにしたがって、あそこに打てばここに返ってくるというパターンを認識できるようになる。そうすると予想が立ち、動き出しが早くなる。

また繰り返し練習をすることによって、動きそのものも速くなる。最後には、考えなくても勝手に体がそのパターンで動くようになる。

というように、スポーツにおいてはパターンを認識すると判断が早くなる。そして最終的には、判断そのものがいらなくなる。

同様に、出来事への反応もパターン化することによって、判断にかかる労力と時間を省くことができるのでした。

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スポーツにおいて、最終的には考えなくても勝手に体が動くように、出来事に対する反応も勝手に起こるようになった。これが自動思考なのでした。

だから自動思考は、効率的に生きていくために必要な機能ではあるのでした。それが正しいパターンならば。

しかし正しくない、つまり歪んだ自動思考のパターンを獲得してしまうと、どの都度メンドクセーことを引き起こします。そりゃメンドーですなぁ。

ゆえに、メンドクセーことを引き起こすような自動思考のパターンはやめなはれ、ということになるのでした。

そのために、メンドクセーことが起こったときには自動思考を紐解いて、認知が歪んでいるのかスキーマが歪んでいるのか検証していく作業が必要なのでした。

でもさぁ、そのメンドクセーことを引き起こす認知とスキーマってどうやって形成されるのさ、というのが次の問い。

認知もスキーマも、それまでの経験からパターンを見出すことにより形成されるのでした。つまりここでもパターン化が行われていたのでした。

では、パターンを認識するってどういうことでしょうね。

パターン認識の説明は、図鑑ネタで。

見開き 1 ページにたくさんの虫が載っている大型の図鑑を見ていると「このページにのっている虫は、なんだか形が似ているぞ」ということに気がつきます。

適当に並べてあるのではなくて、共通する特徴によって分類しているんだな、ということがわかる。

この共通する特徴を見出しそれを体系化する、というのがパターンを認識するということです。

図鑑の例からわかるように、共通事項を抽出し体系化すること=パターン認識は、一見バラバラに見えることを分類し整理するのに必要な概念なのでした(* 9-1)。

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そして、このパターン認識という概念を獲得しはじめるのが 小 3 ごろから、だとわたしは考えています。


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ムスメが 小 3 のこと。
「今日 髪を結んでいないのは ○○ちゃんだけ」「今日は △△ちゃん以外全員スカート」と、仲間はずれにつながると思えるような発言をしはじめた。

正直困った発言ですが、この発言のうらには「共通事項を抽出することによって体系化する」という概念があったのでした。

いろんな服装の子たちがいる中で、スカートをはいているという共通事項を抽出し、はいている子とズボンの子を分けたでしょ。よって、共通事項を抽出することによって体系化する、つまりパターン認識という概念をムスメが獲得した、ということに気がついたのでした。

ムスコが「普通・いつも・絶対」という言葉で、母の行動を非難しはじめたのも 小 3 でした(* 9-3)。普通・いつもという言葉は、出来事の共通事項を抽出することによって出てくる言葉ゆえにね。

ということもあって、パターン認識を獲得しはじめるのが小 3 ころなではないかと思ったのでした。。

パターン認識を獲得しはじめる年頃だから、理科がはじまるのも 小 3 からなんだなとも思ったのでした。

しかし、この例のような比較をともなうパターン認識を人に対して適用すると、仲間はずれをしたり人と同じであることを求めるようになるので、人間関係が複雑になる。

よって、女子は 小 3 ぐらいから人間関係がメンドクセーことになる(苦笑)

人に対してでなく、モノ・コトに対してのみ適用してください、とこのときに思ったのでした。

使い方によっては、メンドクセーことを引き起こすこともあるけれど、共通事項を抽出することによって体系化するパターン認識という概念は、一見複雑に見える事柄を、整理するときに使えるのです。

片づけもそうだし、同じような失敗を繰り返すことに対して対処をするときにも。

失敗を一度限りのものとしてとらえると、「気をつけます」で終わってしまうが、その失敗の共通事項を抽出できれば、対処も具体的になり同じ失敗をしなくなる。


以上がパターン認識の説明でした。

このパターン認識によって、スキーマと認知が形成されているのでした。

そして、スキーマと認知が形成し始めるのは、パターン認識が発達しはじめる小 3 からだと推察したのでした。

でも、それまでの少ない事例をもとに形成され、かつ判断も未熟な年頃でのパターン認識ゆえに、スキーマや認知に歪みが見られます。よって、そういう歪みを早めに発見してあげることが、子どもが生きやすい人生を送るのに必要だとも思うのでした。



--- まとめ ---

自動思考は、出来事に対する反応がパターン化されたもの。メンドクサイことにつながる自動思考のパターンを見直すことが必要。

自動思考を見直すには、それがスキーマの問題か認知の問題化を見極める必要があるが、スキーマも認知もパターン認識によって作られている。

パターン認識とは、共通事項を抽出し体系化すること。

パターン認識が獲得されるのは、小 3 から。よってそのころにスキーマや認知が確立されはじめるのかな?


--- 参考文献など ---

* 9-1


* 9-2


*9-3





by e-sakamichi | 2018-03-15 02:00 | 本 & ひとりごと | Comments(0)

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