反応 - 8 / 自動思考を紐解く
2018年 03月 14日
--- 前回のはなし ---
スキーマ(信念・信じ込み)が認知を生じ、認知から感情が生じる。
スキーマ - 認知 - 感情の流れは瞬間的に起こるために自覚しにくい。この瞬間的に起きる一連の流れを自動思考という。
自動思考を自覚することによって、自動思考の連鎖にストップをかけることや、客観的にみることが可能になる。
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普段の生活の中で自動思考は常に行われています。そのすべてを意識しようとすると大変なので、意識するのは困った時だけでいい。
困ったときに「あぁ自動思考しているな」と気づくだけでよいのです。
そうやって自分の自動思考をながめてみると、自動思考があらたな自動思考をうみだしていることに気がつくのでした。
自動思考があらたな自動思考をうみだしている例をみていきましょう(* 8-1)。
雨が降った日のことでした。
雨が降ったという出来事に対して、わたしの自動思考は以下の通り。
「予報曇りだったのに」
「いや、昨日確認したっけ?」
「傘、持たせてないよ」
「学校に置き傘あるよね」
「歯医者の予約があるからお迎えもいけない」
グルグルぐるぐる……とパニック状態になってきました。
はい、そこまで!自動思考の連鎖ストッ~~プ!
雨は降ってる。そこをアレコレ思っても詮無し。濡れるときには、濡れるが候。
私にできることは、やれることをやるだけ。
玄関にタオルを用意し、お風呂をわかしてホットミルクの支度。メモを残して歯医者に行きました。
結果として下校時には雨がやみ、濡れずに帰ってきたけど、まぁよし……。
起きてしまったこと変えられないことについて、アレコレ考えない、やれることをやるだけ。そう、それだけなのだよ、私。
というように自動思考にストップをかけ、「変えられないことは受け入れ、変えられることに注力する」という新たなスキーム(信念)を持ち出しすことによって、対処することができました。
これも自動思考の連鎖に気がついたからできたことでした。
よって、困った時にはまず自動思考の連鎖にストップをかけること。
そして、どんな自動思考をしているかひもとくこと。
自動思考の連鎖をひもとき、自分がどんなスキームに持ち出してきて認知をしているか、その認知によってどのような感情が生じて行動(表現)していたかを、客観的に見ていく作業をするのでした。
これも頭の中だけで考えようとするとグルグルするだけ。よって書き出す。
私がブログで日常のことを「紐解く」という言葉でもって書いていたのは、この自動思考を客観視する練習だったのでした。客観視するための言語化だったのでした。
自動思考が連鎖していることに、自分では気がつきません。ましてや人の自動連鎖を見ることもできません。
よって自動思考の連鎖に気がつく練習が必要です。
その練習方法は、3 つ。
一つ目は、本を読むこと。
物語を読むことによって、登場人物の自動思考をなぞることができる。瞬間的に生じる自動思考を、順を追って言葉としてみることができるのでした。
よって選ぶ本は心中描写のあるものを。ムスメたちの好きなシリーズものは、会話だけで話が進むために心中描写が欠けててあかん(笑)。
二つ目は、ドラマやアニメをみること。
この場合も、登場人物の心のひとり言があるものがよいです(* 8-2)。
例えば『モテキ』。あれは妄想が、いえ、自動思考が次々と連鎖していく様が面白いです。今やっているドラマでは『もみ消して冬』でしょうか。アニメでも自動思考の連鎖がひとり言として表現されているものがあります。恋愛ものの妄想系が多いですが(笑)
逆に、心中描写をナレーションが解説しているようなドラマは適しません。登場人物がひとり言として心中を語っているものに限ります。
三つ目は、書くこと。
客観的に書くことが重要ゆえ、人に見てもらえる形で書くことと、過去形で書くことが重要です。
過去形にすることによって、もう過ぎてしまったことにしてすませることができ、今後の対処に注力できます。
また、より正確に書くためには言葉の量と使い分け、つまり語彙力が必要となってきます(* 8-3)。
--- まとめ ---
自動思考はつねに行われている。しかし、瞬間的に生じるため、自覚がない。ましてや、スキーム→認知→感情という流れがあることをわかっていない。
よってまずは自動思考を自覚すること。
困ったら自動思考にストップをかけること。
そのうえで、自動思考を紐解き言語化すること。
自動思考の自覚と言語化の練習には、
・本を読む
・ドラマやアニメを見る
・書き出す
--- 参考文献など ---
*8-1
*8-2
*8-3
by e-sakamichi
| 2018-03-14 02:00
| 本 & ひとりごと
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