図書館 - 23 / 2) 「大喜利」的発想
2016年 08月 09日
考察シリーズ、「図書館の活用法と効用」。
3. 本との時間
1) 本の読み方
2) 「大喜利」的発想
3) 時間のつくりかた
4) 家で
5) 図書館に行くのは
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ムスコ(中 1 )は、論理的かつ相手の意見を否定しない人ゆえ、会話だけでなく対話もできる人。
だから、彼とはよく対話します。
今回のお話は、そんなムスコとの対話から。
「僕は、テストとか授業とか、知識や意見を問われるようなことはできるけど、新しいことが発想できない。」と申すのです。
うんうん、なるほど。いい問いです(笑)
「新しいこと」っていうけどね、
ほんとうに新しいことは、今の世の中 少ない。(* 1)。
新しい!と思っていても、実は、もうすでに誰かが考えていたことだったりするのです。
新しいように見えるだけなのです。
では、新しいように見えることって何?
それは、組み合わせが新しいのです(* 1)(* 2)。
それとこれを結びつけますか!という、組み合わせの意外性を新しいと感じるのです(* 3)。
それは、まるで「大喜利」のようでもあります。
「○○とかけまして、△△とときます。そのこころは……」っていうアレです。
○○と△△が離れていれば離れているほど、こころは……で、その共通点を言われて、なるほどそう来たか!って膝を打つわけで。
だからね、一見 共通点がないようなことを組み合わせると、新しく見える、のだと思うのです。
では、その組み合わせの意外性を、どうやって養ったらいいでしょう?
必要なことは 3 つ。
一つ目は、分野を広げること。
「誰も考えなかったような要素の組み合わせから、新たなモノを創造する。」(* 1)
大喜利的発想でいうと、組み合わせるものが離れていれば離れているほどいい。
狭い分野の知識の組み合わせでは、新しいことは生まれにくい。
ゆえに、広い分野の知識や考え方が必要なのです。
二つ目は、知識や考え方を増やすこと。
知識や考え方が一つが増えると、組み合わせは指数関数的に増えていきます。
ゆえに、量も必要となる。
分野を広げることも、知識や考え方を増やすことも、ひと一人のものでは限りがあります。
よって、他の人の体験を借りるのです。
「あなたが名探偵なら、本はたよりになる助手です。
自分ひとりの頭で考えられることには限りがありますから、どんどん助手の力を借りましょう。
ほかの人の考えを知ることによって、可能性はぐんと広がるのです。」(* 4)
つまり、やっぱり読書なんです。
三つ目は、組み合わせる視点をもつこと。
この考え方は別の話と組み合わせられないか、
という視点を、いつも持っておくということです。
この組み合わせる視点は、
違う分野の本を同時並行で読むことによって鍛えることができます。(* 5)
ここでも、やっぱり読書なんです。
--- まとめ ---
新しいこととは、組み合わせの意外性のこと。
組み合わせの意外性を養うために必要なことは 3 つ。
① 分野を広げること
② 知識や考え方を増やすこと
③ 組み合わせる視点をもつこと
これらは全て、読書で養われる。
--- 参考文献など ---
* 1
「3. 『個別』よりも『全体の調和』
一見無関係みえる分野に関連性を見出す力。
誰も考えなかったような要素の組み合わせから、新たなモノを創造する。」
* 2
p 275「何歳になっても、新たな経験メモリーを加え続ければ脳はそこから『べき乗』で考えの組み合わせを増やせる。
つまり、何歳になっても頭はよくなる。」
* 3
「組み合わせの意外性」という面白さを知ったのは、酒井順子さんの本で。
この方、言葉は平易。なのに面白いのは、言葉の組み合わせの妙があるゆえ。それとこれを結びつけますか!という驚きが、この方の文章にはある。
その結びつきに、笑いながらも妙に納得してしまうのでした。
で、酒井さんの文章をヒントに思いついたのが、「大喜利小論文」ってどうでしょう?と。
適当に持ってきた二つの単語について、無理やりその共通点を見出して、小論文を書くの。
「誰も考えなかったような要素の組み合わせから、新たなモノを創造する。」の練習として。
なんだか楽しそうじゃない?(笑)
* 5
--- おまけ ---
冒頭のムスコの問いに対する、母の返答。
クチでいってもね、と思って、手紙で。
ムスコよ、この問いに対する”解”は、自分で見つけてください。
そして、その話をお母さんに聴かせてネ。
by e-sakamichi
| 2016-08-09 06:51
| 本 & ひとりごと
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