非言語 - 7 / 聴く姿勢

コミュニケーションにおいて、言語が寄与するのは たったの 7 %。
言葉”以外”のことのほうが、はるかに重要。

では、コミュニケーションにおいて大事な、言葉”以外”のことって何でしょう?

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前回までは、表情と顔つき、主に顔のことについて話してきました。
まだ話すネタはあるんですがね(笑)、ホントに書きたいことは もっと本質的なことゆえ、このお話はこれくらいで。

ここからは、体全体のお話になります。

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コミュニケーションというと、自分の気持ちや考えを伝えることという " 発信 " にばかり目が行きますがね、

実生活にいおいてはむしろ " 受信 " 、相手の気持ちや考えをどういう態度で受け取るか、ということが重要だと思うのです。

自分の周りにいる「感じがいいなぁ」と思う人をあげてみると、だいたい聴き上手な方だと思いません?(笑)

だからね、話す内容や話し方よりも、聴く姿勢のほうが大事だと思うのです。

なんだけどね、話すことについては学ぶ機会があっても、聴く姿勢について学ぶことはない。

よってね、これも練習が必要です。
じゃぁ、どうしたらよいでしょう?

まずは、聴き上手な人を真似てみる。
「この人と話すと、なんだか気持ちがいいんだよなぁ」という人を見つけて、真似てみるのです。

気持ちのいい人にあったら、なんで気持ちがいいんだろうと観察してみます。
逆に、この人と話すとなんだか気持ちがよくないな、ということもあります。これはこれで反面教師として多いに学ぶところがありますのでね(笑)、気づきを言葉にしてみましょう。

わたしが思うに、聴き上手な人というのは、

・前のめりの姿勢で
・表情が豊かで
・タイミングよくあいづちをしてくれて
・途中で口を挟まない
・しゃべるときもゆっくり

なのかなぁ…と思います。

とはいえね、真似るにしても、あまりそういう場面や人にも出くわさないのでね(笑)、わたしがおススメしたいのは「聴く」ことを主体とした講座に行くことです。

聴くことを主体とした講座とは、カウンセリング講座のことであります。

カウンセリングは、アドバイスはしないんです。カウンセラーは、ただひたすら聴くだけ。
なぜならば、答えは相手の中にあるから。
その答えにいたる過程を、ただ聴くことによってお手伝いするのがカウンセラーの仕事なんですって。

だからね、カウンセリング講座では、ひたすらに聴くことを練習をするんですよ。
聴く姿勢はもちろん、聴くときに陥りやすいワナ、なんかを体系的に勉強するのです。

そして、必ず 実習をやります。

まず最初にやったのは、悪い例から。
石のお地蔵さんになったつもりで聴く、という練習です。
聴くほうは無表情であいづちもうたない……これがね、話す方としてはとってもとってもツライ!
話してられなくなって、途中で黙りこくってしまった。

これで、痛い思いをするのでね(笑)、あとの実習では、少なくとも表情とあいづちには気を遣うようになります。

実習では、自分が話す立場、聴く立場、そしてそれを観察する立場と、三人一組で役割を交代しながらやりますの。

自分が話すときには、「この人の聴く姿勢は好きだなぁ」「あっこのタイミングで話しかけられたら話が途切れる」「結局自分の話に持って行かれた(笑)」なんて気がつけるし、

観察者のときには、あいづちや姿勢、流れをさえぎらない質問のタイミングなどについて、客観的に見ることができました。

そして、この気づきを自分が聴く立場(カウンセラー役)のときに、すぐに生かせるのでした。

そして、この実習を通して気がついたのは、
ただ聴いていただけなのに、終わったときには、深い深いつながり感を感じていたこと。
話しているほうだけじゃなく、聴いているほうもね。

聴いている方は、一言も話していないのにも関わらず、深くかかわりあえたという充実感を双方が味わえたのです。
これには驚いた。

だからね、聴く練習をすることは、
コミュニケーションにおける言葉”以外”のことについて学ぶとてもよい機会なのでもありました。

これは、講座で練習を重ねたから気がつけたこと。
そして実生活でも、だいぶんできるようになりました。いつもではないけど(苦笑)、そういう割合が増えたのでした。

これはね、実生活でいきなりはできません。
ましてや家人には絶対ムリ!!!(苦笑)

だからね、聴くことについては、どこかで学ぶことを強くお勧めします。

「カウンセリング講座」にもいろいろあると思いますのでね、「聴く」というキーワードが入っているかどうかを目安に探してみてください。


--- まとめ ---

実生活のコミュニケーションでは、自分の気持ちや考えを伝えることよりも、相手の気持ちや考えをどういう態度で受け取るか、ということのほうが重要。

相手の気持ちや考えをどういう態度で受け取るか、ということは、聴く姿勢に表れる。

聴く姿勢は、練習が必要。
そして、聴く姿勢を体得することによって、言葉”以外”のコミュニケーションの質が向上する。

--- おまけ ---
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写真は、小学校の交通安全を語る会にて、子どもたちの中に入って話を聴いているところ。

知らないうちに撮られている写真ゆえに、そのまんまが出てるからドキッとしたけど、
前のめりで話す人の方を見るという、聴く姿勢がきちんととれていたので安心しました。たはは。

下の写真は、ムスコ。
もっと前のめりになって聴け!(笑)
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「聴く」シリーズ





--- 参考文献など ---


「私が学生によく言っているのは、
『自分の考えから発想を自由にずらすことができない人は、とにかく相手の言ったことを笑顔で受け入れられるにようにする練習からやろう』ということです。」

海馬―脳は疲れない (新潮文庫)

池谷 裕二,糸井 重里/新潮社

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p305「受け手がコミュニケーションを磨く。

受け手が活発であれば、関係は築かれる。」



by e-sakamichi | 2016-07-19 11:49 | 本 & ひとりごと | Comments(0)

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