静岡県立美術館 開館 30 周年記念展

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静岡県立美術館で開催中の、「開館 30 周年記念展 東西の絶景」を見に行ってきました。

お目当ては、伊藤若冲の「樹花鳥獣図屏風」。

六曲一双屏風で、右 137.5×355.6cm 左 137.5×366.2cm もあるから 大きいのだよ。
遠目で見ると、その鮮やかさと 派手さに目を奪われるのだけど、
近くによってみると、一センチ角の升目がびっしりと並んでいるんだわさ。
升目描きと呼ばれる手法でね、モザイク画みたいなもんなんだって。

よくもまぁ、こんな手法を考えて、こんなにねちっこく描いたものだ。

横山大観の「群青富士」は後期の展示だったようで見れず。残念。
若冲は前期の展示。
よって、県美の 2 大作品である若冲と大観は、同時に見ることはできないようです。がっくし。

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ロダン館、お初。よくもまぁ集めましたね。
しかもここ、写真OKでしたよ。
写真は、「地獄の門」。

作品に近くまで寄れるので、じっくり拝見。
人体の美しさを、よくもここまで表現できるなぁと、感動するも、
これほどの技術と表現力を持っているのだったら、
美しい題材で表現してほしかったなぁと思う(笑)。
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これなんて、大理石がまるで人肌のように滑らかで、ほんとに美しいのですよ。
なんだけどね、「夫の弟と愛し合ったあげく2人とも殺され、不倫の罪で地獄の暗い雲の中を漂い続ける姿を表現しています。」ってさ。
美しいのに残念なお題(苦笑)。

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シロウトの絵画鑑賞は、解説が必要。
今回は、ガイド音声も借りたので、理解が深まった。

イスに座って遠くから眺めつつ解説を聴き、近くによってさらに見る。
お気に入りの絵の前では、時間を気にすることなく居座る(笑)。

人が少ない平日おひとりさま鑑賞ゆえにできた贅沢。

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気に入った作品。忘備録として。

原在中「富士三保松原図」
三保の松原と富士山・愛鷹山の山並みが、今の景色と同じように書かれている。実際に見て描いたんだろうなぁ。

・狩野山雪「富士三保松原図屏風」
左隻は 富士山と清見寺。富士山の稜線と清見寺が、同じカーブを描いているそうな。
対して、右隻の愛鷹山と近景の三保の松原は、平行に並んでいるんだって。
左隻のカーブと右隻の平行が、対比していて美しい。

五姓田義松「富士」
日本平あたりから見た富士。
カスミがかっているところや、雪の様子から、田植え時期かなぁ。

・和田英作「日本平望嶽台」
これも同じ構図なんだけど、夏。しかも、朝早めの。
富士山はまだ雲に覆われていないけど、愛鷹のほうには雲がもくもくと立ち上がっている。
この雲のかかりかた、よく見てるなぁ~。

*わたしが好きな富士山の絵は、全部構図が同じだったわ(笑)

手前に三保の松原、海をぐるっとまわって薩埵峠を経て富士山。
富士山から愛鷹山へ連なるところまで描かれた、パノラマ的な富士山。
実際に見て描いたんだろうなぁ、と思われる絵が、わたしは好きらしい。

・ヨーハン=バルトールト・ヨンキント「オンフルール近郊の街角」
空の色、水色に紫。

・モーリス・ド・ヴラマンク「小麦畑と赤い屋根の家」
赤と緑



by e-sakamichi | 2016-04-20 21:19 | 日常 | Comments(0)

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