聴いて深める -8 / 質問の練習
2015年 08月 02日
--- 前回のお話 ---
質問と復唱が、話を深めていく。
---
質問するのも、練習が必要。
質問がでない理由の一つとして、
「こんなことを質問するのは、恥ずかしい」という気持ちがあるのでは、と思いましゅ。
ゆえに、相手(子ども)が質問をしたら、「いい質問だね」と まずは ほめる。
どんなささいな質問であっても、決して否定してはいけません。
「そんなことも知らないの?」は一番言ってはいけない言葉。
「いい質問だね」とほめると相手は、
「なるほど、こういう気づきを言葉にするのは、いいことなんだ!」
と思うようになるのでね、
質問することを恐れないようになるのです。
むしろ、あれこれ考えた質問は、面白くもなんともないのでしゅ。( * 1, *7 )
相手の言葉を受けてふっと湧いた疑問、
それをそのまま質問として 相手に返す。
そういうふっと湧いた質問が的を得てることは、 往々にしてあります。
ゆえに、質問してきたらほめる。
否定はしない。
ただ、指導が入ることもあります。
それは、話がずれているとき。
相手の発した言葉を拾いもせずに質問やコメントをしてきたら、
「それは、話がずれている」という指導が入ります。
もう一つ、指導が入るのは、話が広がりすぎている場合。
相手の発した言葉から拾うのはいいのですが、
それが繰り返されすぎると、おおもとの話(主題)から 外れてくる。
主題が深まらない。
大人の会議でも、こんな感じで話が横に広がりすぎて、
おおもとの主題がなんだったかわからなくなる場合が 多々ありますね。
ゆえに、話が広がりすぎても指導が入ります。
質問によって話が深まっていくのはこんな感じ。
主題から直接出る枝(キーワード)が多いのです。
会話のキーワードを図にしてみて、こんな感じになってれば話は十分に深まっているといえます。
つまり、常に主題を意識するということ。
質問の練習をするときには、
この「主題は何か?」ということを意識する必要があります。
場合によっては、この図を書きながら話をしていってもいいかと思います。
→ 話し合いのカタチ
「聴いて深める」シリーズ、以上でおしまい。
---
* 1
「コメントが凡庸。質問がパッとしない。
相手をハッとさせることを狙って考えたような作為的なこと(コメントや質問)というのは、案外誰でも思いつくようなことなのです。
むしろ、自分がハッとさせられたところから生まれてくる、自分のなかをくぐってふっと湧いて出たもの。
それを見逃さずにきちんとすくいとることが、
自分の言葉になっていくのです。」
* 7
「『質問は一つだけ用意しなさい』
『もし一つしか質問を用意していなかったら、
当然、次の質問をその場で考えなければならない。
次の質問を見つけるためのヒントはどこに隠れているのだろう。
隠れているとすれば、
一つ目の質問に応えている相手の、答えのなかである。
そうなれば、質問者は本気で相手の話を聞かざるを得ない。
そして、本気で相手の話を聞けば、
必ずその答えのなかから、次の質問が見つかるはずである。』
質問をする。答えが返ってくる。
その答えのなかの何かに疑問を持って、次の質問をする。
また、答えが返ってくる。
その答えを聞いて、次の質問をする。
まさにチェーンのようなやりとりを続けてインタビューを進めることが大事なのだと教えられたのです。」