安倍川 - 1 / 大谷崩 - 1 2015.05.10
2015年 06月 03日
長くなります。
シロウトです。
ご教授くださるかた、お待ちしています(笑)。
国道 1 号線 静清バイパスより上流の全容。
安倍川は、身延山地の八絋嶺が源流で、
全長は 51 km(* 1)。
大谷崩は、
安倍川の最上流に位置する
大規模な 崩壊地。
大谷崩。
手前は一面、石だらけ。
これが、すべて 崩れてきたもの。
ここは、瀬戸川層群といって、
古第三紀(約 6500 ~ 2400 万年前)に
海底で堆積した
泥岩や砂岩からなる地層(*2)。
多数の断層や割れ目が発達し、
地下深くまで風化が進んでおり、
域内全体にわたり
きわめてもろい地盤、とのこと(*2)。
もろい地盤に加えて、
安倍川の源流部の年間降水量は
3,000 mm と 雨が多いことも重なって、
災害の発生頻度の高い地域(* 4)。
ここだけでなく、
安倍川流域 あっちこっちで
ガランガラン崩れています。
大雨の後や、凍結が融解する時には、
行かないほうが無難です。
矢印部分が、「一の沢」。
流域内でもっとも 砂礫の生産が活発な地域(*2)。
「一の沢」アップ。
ほらぁ、ガランガラン 崩れてる。
複雑に入り組んだ 砂岩・泥岩が
露出しています(* 2 )。
黒いのが泥岩です。
砂防ダム。
上流から流出してきた土砂をせき止めて、
川の傾斜をゆるくし、
下流への土砂流出や 川床の上昇を防ぐ(* 4)。
砂防ダムは、ごらんのとおり
礫でいっぱい。
これを見ても、崩壊のすごさがわかります。
現在は、緑化によって
斜面の土砂は安定しているそうですが。
砂防ダムのおかげで、
下流への土砂流出が減少し、
災害から守られている一方、
下流への土砂の運搬量も減るため、
三保の松原が細くなっているそうな(* 5)。
ここで拾った石ころの話は、
次の記事で。
--- 参考文献 ---
* 1
* 2
* 3
* 4
* 5
静岡の自然をたずねて (日曜の地学)
地学団体研究会静岡支部(編集)/築地書館
2005.7.10 発行のほう