校区ドッジボール大会 - 2 / 今ここに意識をもってくる

校区ドッジ―ボール話、二つ目。
不安対策について。

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試合の前になると子どもたちが不安になる。相手が強かったらどうしよう……と。

相手が強かったら……そりゃどうしようもないねー(笑)

相手は変えられないから、考えてもしゃーない。

できることは、自分のもてる力を全て発揮すること。つまり、強い子にボールがいかないようにすることと、ボールを見てよけること、声をだすことによって相手をびびらせることぐらいだら。

このように、目の前の現実についてではなく、過去や未来についてあれこれ考えを巡らせてしまう状態を、「マインドワンダリング(心の迷走)」といいます。(* 1)

マインドワンダリング状態のとき、人は不安になります。(* 2)

よって、相手が強かったらどうしようなんて未来のことを考えるのは、しかも変えることのできないことについて考えるのは、不安を自分で作り出している状態なのでした。

未来を勝手に考えて不安になるマインドワンダリング状態から脱するためには、「一時的に心から『思考』のエネルギーを取り去り、それを現在に意識する方に使う」ことが必要になります。(* 3)

未来や過去について考える暇を与えず、今ここに意識をもってくる、つまり「マインドフルネス」になることが必要なのでした。(* 4)

このマインドフルネス状態になるために、今回はムスメ 1 がよいことを思いついてくれました。

それは、早口言葉(笑)。

ムスメ 1 が音頭をとり、それに続いて他の子が早口言葉をいう遊びをはじめたの。

早口言葉は、今ここに心を留めていないとひっかかる。よって、今ここにというマインドフルネスそのものなんです。

早口言葉あそびをすることによって、マインドワンダリングになる時間が短くなる。つまり勝手に未来を考えて不安になる時間が少なくなる。よって、不安が減る。

また、ノリノリでやるから楽しいし、間違うと笑うからリラックスでき、声を出しているから試合でも声がでるようになる。いいことだらけ。

これはほんとによかった。本人たちは気がついていないけど(笑)。
緊張するときはノリノリで早口言葉、おススメです。

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そして、試合直前。
キャプテンが率先して円陣を組んでの声出しをしていました。

声を出す、ということも、今ここに心を留めて、心が勝手に未来にいって不安にならないようにするための大事な行動です。

後半だけに出る子の緊張対策は、前半は声出し、後半直前になったら声を出しながらのステップ。これも、心が勝手にアレコレ考えないための策。

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試合中の声かけもまた大事。

「落ち着いて」「集中して」なんて声かけしても、そんなこた本人たちはわかっとる(笑)。わかっとるけど、どうしたらいいかわからん。

ゆえに声かけは「ボールを見る」の一点のみ。ボールだけに目と心がいくようにする。
相手ボールが行き来する間は、一球ごとに「ボールを見る」「ボールを見る」と連呼していました。(* 5)

ドッジボールの場合、相手に背中を見せたとたんにあてられる。「ボールを見る」という声かけをするだけで、背中を見せずに逃げるようになりました。また、ボールを見ながら逃げると結果的に体が半身になるため、当たりにくい。

よって、当たる子も少なかった。多いときでも二人まで。しかもどの試合でも、相手は多くても一人しか残らないという状態だったので、ほんとに圧勝の完勝でした。

まぁ、校区大会レベルだからね。この程度の工夫で、圧勝できるのです。

でも、この圧勝の体験が、子どもたちの自信へとつながったことは確か。
そして、その自信は代々引き継がれていくのでしょう。来年も勝つ気でいるもん。子どももわたしも。にゃは。


ということで、ドッジボール大会のお話、おしまーい。


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--- 参考文献 ---

* 1

キラーストレス 心と体をどう守るか (NHK出版新書)

NHKスペシャル取材班/NHK出版

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「第二章 脳を破壊するキラーストレス
p60 ストレスを悪化させる『マインドワンダリング』」

要約

慢性的にストレス反応が起きている状態をさらに悪化させるのは、人類に備わっている「記憶力」や「想像力」。

例えば、職場で上司に激しく叱責されるということがあったとする。叱責されるだけでもストレスだが、それを思い出したり、明日も同じようなことがあると想像したりすることによって、その度に脳にストレスを与えている。つまり、脳の中で自らストレスを生みだしている。

このように、目の前の現実についてではなく、過去や未来についてあれこれ考えを巡らせてしまう状態を「マインドワンダリング(心の迷走)」と呼ぶ。

マインドワンダリング状態は、生活時間の 47 % にもおよぶ。つまり、起きている時間の半分で、ストレスを感じやすい状態になっている。

人が過去や未来のことをあれこれ考えてしまうのは将来の計画を立てるためだが、そうしている間はストレス反応がずっと続いており、それによって脳はむしばまれ、心の状態を更に悪くしてしまう。


* 2 , * 3

p27
「3. マインドフルネスは、『不安』や『怖れ』を消す

不安は、過去と未来を考えることによってかき立てられます。それらの考えを取り除くことにより不安は消えて心は落ち着きを取り戻します。」


* 4


* 5







by e-sakamichi | 2017-10-13 15:22 | 本 & ひとりごと | Comments(0)

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