敬語ネタ - 3 / 実生活において

日本や韓国では、人と話すにあたって常に相手との上下関係を推し量る必要がある。そして、相手との距離よりも上下に主を置いているような気がします。

めんどくさい気もするが、敬語はことばの作法のひとつ。作法と心得ていれば、摩擦、争いを回避、軽減することができる。

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さて、今回のシリーズの発端は、ムスメが授業で習ったからでした。

敬語というものは日常生活の中で自然と身につくもので、授業で習うのは文法的な確認のためだけ。
なのですが、日常生活での敬語となると、これがなかなか。

まず、子どもがよその年上の人と接する機会が少ない。
学校や習い事の先生ぐらいでしょうか。よくて近所の大人。

しかし、敬語を知らなければ出しようがない。

ゆえに大事なのは家庭や地域。
親が敬語を使う様子をそばで見ることによって、子どもも自然と身につく。

本来は自然に身につくもの。
しかし、親にしても、敬語を使うようなシーンが少ないのが現状。

特に子育て世代は、自分と同じ立場の人とのつきあいが多いので、敬語を使う頻度はかなり低い。

以前であれば、親が電話で話す様子をみて、敬語を知ることもできた。
しかし、ラインやメールですんでしまうため、敬語を使う親の姿を子どもが見る機会も減少した。

また、読書という手もあるのだが、なんせムスメらの読んでる本はチャラい本ばかり。
登場人物は同級生、それで恋愛だのー、事件だのー、という筋の話ばかりで、上下関係のあるような人間関係が存在しない。ゆえに、うちのムスメたちの場合、本も期待できない。

ゆえに今の時代、子どもに敬語を身につけさせるには、少し努力が必要なようです。

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さて、肝心の親であるわたしの敬語環境。来歴も含めて。

まず、生まれは九州。
江戸から遠く離れた地ゆえにか、儒教の影響が強く、いまだにその影響が強く残る地域。
つまり年齢の上下にも、立場の上下にもうるさい地域。

運動系の部活だったことも重なって、一つ年上でも敬語は必須。

そのせいもあってか、相手の年を確認したい派。
初期設定は敬語で、同じ年だとわかれば敬語がはずれる。

そういう感覚のわたしが、こっち(静岡県沿岸部)に越してきて一番びっくりしたのが敬語意識の低さ。

食洗器を設置してくれた業者さんが、お客さんであるわたしに対してため口だったのにびっくり。
引越しのための手続きで人に会うたびに、びっくりの連続(笑)。

そこで知ったのです。
敬語意識のギャップを。

しかしこれは、地域性であり文化であるから、否定しようがない。
こちらで住む以上はこの敬語の壁を乗り越えなければなりません。しかもその壁は自分が一方的に作っている壁です。

ゆえに、人が使う言葉については気にしないことにしました。これは案外にすぐできた。
問題は、自分が使う言葉。

年上の人にはどうしても敬語を使いたい(笑)。
ゆえに妥協案。敬語は方言で。

長崎弁の中でも島原地方限定の(笑)敬語を使うことにより、自分は敬語を使っているけど相手には気づかれない、という落としどころを見つけました。

なんじゃそりゃ、という落としどころですが、自分の中での折り合いがついたので、それでいい。
だって、正統な敬語を使ってたら、人との間に壁を作ってしまう地域性なんだもん。だけど使わないと気持ち悪いもん。

ということで、方言での敬語作戦は、ひそかに継続中。
とともに、なるべく敬語を使わずにしゃべる練習も継続中。

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ちなみに、こちらの敬語意識のなさは、文化度が低いからではありません。

よその大人も自分の身内である、という、身内感覚の広さによるものだと思います。
そしてそれを許容する大人も、子どもを一人の人間としてつきあう親密さと度量を持ち合わせています。

ゆえに、とてもおおらかで親密度が高い土地柄。そういうとこが大好き。


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おおらなか地域性は、富士山が見えて、温かくて天気の良い場所に住んでいるからでしょうかね。
(そういえば、今年は初冠雪まだですな)






by e-sakamichi | 2017-10-10 10:45 | 本 & ひとりごと | Comments(0)

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