夏の奈良盆地にかかる雲 - 2 / 雲はどうやってできる?

夏の奈良盆地にかかる雲は、静岡県沿岸部と違う。
どうちがうの?なぜちがう?

その疑問に答えるために、まずは「雲はどうやってできる?」というお話。
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空気中に含むことのできる水蒸気の量は決まっています。

1 立法メートルの空気中に含むことのできる最大の水蒸気の量を、「飽和水蒸気量」と言います。
飽和水蒸気量は、温度によって違う。

例えば、25 ℃ のときの飽和水蒸気の量は 23.0 g、20 ℃ で 17.3 g、15 ℃ で 12.8 g。
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ここで問題。

25 ℃ で、17.3 g / m3の水蒸気を含む空気が、15 ℃ まで下がるとどうなるでしょう?

15 ℃ の飽和水蒸気量は 12.8 g 。
よって、17.3 - 12.8 = 4.5 g の水蒸気が余分になります。余分になった水蒸気は、液体つまり水になります。

水蒸気を含んだ空気が冷やされると、含み切れなくなった水蒸気が水になる。
その水が雲つぶ、つまり雲の誕生、というわけです。(大まかにいうと)

ちなみに、上の例題の場合、雲つぶができ始める温度は何℃でしょう?

飽和水蒸気量に達したら余分な水蒸気は水になる。よって、水蒸気を 17.3 g / m3 含む空気の場合、20 ℃ を切った時点で 水が出る。よって、20 ℃ 以下になると雲ができます。

ちなみに、空気中の水蒸気が凝結して露(水)になりはじめる温度を「露点」といいます。
この「露点」という言葉、また後程でてくるので覚えておいてね。

ここでは、空気が冷やされると雲ができる、というところに注目していきましょう。

空気が冷やされると雲ができる。

では、空気が冷やされるのはどういうとき?

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空気が冷やされるのは、大きく分けて、
1. 空気が上昇したとき
2. 冷たい空気と接触したとき

それぞれについて詳しく見ていきましょう。
お話は次に続きます……。




by e-sakamichi | 2017-09-28 02:00 | 生き物 | Comments(0)

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