コウモリとカエル - 2 / わかること
2017年 09月 03日
前回のお話。
コウモリをつばさ類と答えたムスメ 2 (小 5)。
その思考回路における問題点とは。
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「わかる」という言葉は、漢字で書くと「分かる」。(* 1)「分」は、刀で二つに切り「わける」意を示しています。
つまり、わかることとは分けること、なのでした。
ゆえに、分けることは物事を理解する第一歩だと言えます。
そういう意味では、ムスメ 2 がコウモリをつばさ類という類に位置付けたことは、間違っていたとはいえ、一応物事を分けて理解しようとしていた、ととらえることができます。その点は評価します。
問題はその先。
全体像が見えていないということが問題なのでした。
分けただけでは、本当にわかったことにはならない。
その前後左右がどのようにつながっているかという、全体の中での位置づけが必要。
分けて、かつ、全体の中での位置づけまで示す、これを分類とここでは定義します。
この分類の観点が、彼女には欠落していたのでありました。
ゆえに彼女にはこう説明しました。
「ムスメ 2 ちゃんの住んでいるところは、〇〇町でしょ。でも、ここらへんに住んでいない人には〇〇町だけじゃわからないよね。だから、△△市の〇〇町、という言い方が必要でしょ。
だけど、他県の人にしたら、△△市すらもわからないよね。だから、静岡県△△市、という、さらに大きなくくりからの説明が必要になるよね。
だけどさ、日本以外に住む人にしたら、静岡県さえもわからない。
よって、さらに大きいところから見て、
日本 / 静岡県 / △△市 / 〇〇町、という段階をもって説明する必要があるんだよ。」
「生き物の世界も『コウモリ』だけじゃわからないから、住所と同じように段階をもって分けてあるんだよ。
動物の世界でいうと、ざっくりと脊椎があるかどうか。(注:ムスメ 2 レベルなのでかなりざっくりと説明しています)
脊椎、これは背骨のことね。
脊椎があるものを脊椎動物というよ。
その中でさらに特徴によって分けてあるの、魚類・両生類・爬虫類・鳥類・ほ乳類と。
だからね、動物を見るときはまず脊椎があるかどうかで考えると、どの分類に属するのか絞り込みができるんだよ」
これに続いて、脊椎動物の魚類からの説明が続きます(笑)。
このあとは、知っている生き物がどこに分類されるかを、図鑑の分類図を見ながら当てていく、というお遊びの作業でもって、彼女に実感してもらったのでした。
写真は、そのお遊びの図。
こういうときは、母さんがやると怖くなっちゃうので、お兄ちゃんの出番。
お兄ちゃんがべったりなのが嬉しくて、当たったときにお兄ちゃんに褒められるのが嬉しくて、嬉々としてやってました。
---
さて、「わかることとは、分けるだけではなく、全体の中でどこに位置付けされるかまでを示すこと」、とわたしはここで定義をしました。
なぜ全体の中での位置付けまで必要なのでしょう。
お話は次に続きます……。
--- 参考文献など ---
p56 「日本語では『ワカル』(理解する、判断が持てる)ということを『分ける』こと、つまり『対象に筋を引いて二つに分離する』ことだと把握したのではあるまいか。」
p57「ワカルという言葉は、世界の方々の地域に『二つに分離する』意味から展開してきた例があります。」
つまり、わかることとは、わけること。まずは、大きく二つに分けることが肝要のようです。
そこで思い出したのが、生き物の友に教えてもらったテクニック。
小論文の書き出しに困ったときは「この世には二種類の人間がいる。〇〇が好きな人間と、そうでない人間だ」で書き始めるというテクニック。
この書き出しで始めると、まだ何にも考えていないけれど、とりあえず対象を大きく二つに分けることになります。
対象を二つに分ける、おー、まさに「分かる」そのものではないですか!
なるほどー。友、やりますな(笑)
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by
生き物の友
at 2017-09-03 11:16
x
この世には二種類の……は
テレビで観た話なので、私の手柄では
ありませんが(;^ω^)
sakamichiさんの頭の中はいつも面白いですね。
「点と線」が繋がるまでの道程には
学びがいっぱい(*´ω`*)
テレビで観た話なので、私の手柄では
ありませんが(;^ω^)
sakamichiさんの頭の中はいつも面白いですね。
「点と線」が繋がるまでの道程には
学びがいっぱい(*´ω`*)
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e-sakamichi at 2017-09-03 23:09
生き物の友 さん
テレビねたでしたか😁
でもそれをなるほどと府に落ちる貴女の感性が好きです。
>「点と線」が繋がる道程
にゃん、素敵な言葉選び。
あっちのことと、こっちのことが、ふとした瞬間に繋がるときは、ほんとに楽しいです。一人でニヘニヘしてます。
そして、そういうときに思い出すのはお茶のご婦人 Aさん。
柄杓は夏用と冬用があるのですが、夏用の柄杓はミのほうが削いである。それを覚えるのに、お茶の先生が「夏こそみそぎのしるしなりけれ」という百人一首(多分)を引用なされた。
それを聴いて百人一首好きのAさんは、あっちとこっちが繋がったことが嬉しかった、これが大人の知の楽しみだ、みたいなことをおっしゃってたの。
その話を思い出すのでした。にゃは。
テレビねたでしたか😁
でもそれをなるほどと府に落ちる貴女の感性が好きです。
>「点と線」が繋がる道程
にゃん、素敵な言葉選び。
あっちのことと、こっちのことが、ふとした瞬間に繋がるときは、ほんとに楽しいです。一人でニヘニヘしてます。
そして、そういうときに思い出すのはお茶のご婦人 Aさん。
柄杓は夏用と冬用があるのですが、夏用の柄杓はミのほうが削いである。それを覚えるのに、お茶の先生が「夏こそみそぎのしるしなりけれ」という百人一首(多分)を引用なされた。
それを聴いて百人一首好きのAさんは、あっちとこっちが繋がったことが嬉しかった、これが大人の知の楽しみだ、みたいなことをおっしゃってたの。
その話を思い出すのでした。にゃは。
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at 2017-09-04 09:44
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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by
e-sakamichi at 2017-09-04 10:08
鍵コメさん
コメントありがとうございます!
オマケのタニシに!
何呼吸か、おー、その着眼点、気になります、萌え萌えします(笑)
> <みそぎぞ夏のしるしなりける>(風そよぐ ならの小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける 藤原家隆)
そうでしたか!
ご教授ありがとうございます。
そして、そういうことをお知りなってる鍵コメさんに知識の幅広さに興味津々です^^。
コメントありがとうございます!
オマケのタニシに!
何呼吸か、おー、その着眼点、気になります、萌え萌えします(笑)
> <みそぎぞ夏のしるしなりける>(風そよぐ ならの小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける 藤原家隆)
そうでしたか!
ご教授ありがとうございます。
そして、そういうことをお知りなってる鍵コメさんに知識の幅広さに興味津々です^^。
by e-sakamichi
| 2017-09-03 02:00
| 本 & ひとりごと
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Comments(4)