しつこく読書感想文ネタ / 中 2 編
2017年 08月 16日
しつこく読書感想文ネタ。
今度はムスコ(中2)編。
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ネットで何でも検索できる時代ゆえに、物知りだけでは通用しなくなる時代となりました。
テストの点数も同様。
点数がいいからといって、社会で通用するとは限らない。
では、何によって評価されるのか。
それは、考え方。
そして、考え方を文章でもって評価される時代なのです。
ゆえに、文章をつくることはとても大事。
だけど、学校では一人一人に指導する時間もなく。
だから、家での指導が必要となってくる。
しかし去年の夏休みの作文系宿題は、チェックする間もなく提出してしまった。
よって今年は、ガッツリ指導することに。
まずは読書感想文。
本は母が指定。
選定条件は、①文学、②作者が有名かつ故人、③短編。
この条件で選んだのは、夏目漱石『夢十夜』。
『夢十夜』は十の物語からなる短編。全体でも短いのに、さらにその中から「第七夜」だけに絞って書くことにしました。
「第七夜」は、4ページぐらいしかありません。
これでもって400字詰め原稿用紙 5 枚分を書くには、相当深く掘り、そこから自分の考えを発展させて書かなければなりません。
ゆえに、とても意地の悪い課題。
鬼母(笑)。
だけど、彼ならできる、という確信もありました。
『夢十夜』と、読書感想文のテクニック本、そして夏目漱石の解説本を彼に渡し、「お母さんたちはお出かけします。帰ってくるまでに書き終えるように」と指示。
鬼母(再び)。
わたしが帰ってきたら、「あと3行!」というところまで書きあげていました。
早速できあがった原稿をチェック。
まずは出だし。
ここは定型でいくと、作者紹介から始まるところ。しかし、いきなり哲学的な話題で始まった。
さすが、やるな(笑)
そこから作者紹介。
作者紹介は手間をかけないところ。
ゆえにパクリが基本だが(ここだけの話)、巻末の解説からパクった形跡がない。
聞くと、解説本のマンガ部分からキーワードだけ抜き出し、かつ、去年わたしが夏目漱石の作品群の時系列的分類について熱く語っていたことを思い出して書いたとな。
ほほう。
そこから作品紹介へと連なり、そこに自分の体験からくる考えをのっけてきた。
うむ、よし。
中学生らしい生きる上での迷いがある中、それでも「図太く生きる覚悟」を宣言する結び。
母による訂正は、ほとんどなし。これを 3 時間で書きあげるのだから大したもん。
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次は作文。
お題となる言葉の定義を辞書で引き、そこから掘り下げるという構成になっていた。
これもほとんど訂正なし。
ただ、本人曰く
「お題について書き始めたら、なんだか否定的な内容も含んでしまった。提出先を変える」と。うん、いいね。
となると、結びがぼやけてしまったので、最後に名言集からピックアップした名言をくっつけて締めをキリっとさせてみた。
原稿用紙 3 枚分を、45分で書き上げ、指導を含めても 1 時間ちょいで完了。
書く速さも大したもんです。
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彼の場合、
過去の読書量があるゆえ、語彙が豊富。そして言葉の精度がある。
数ある言葉の中から、確信をもってその言葉を選んでいるゆえ、迷いもなく書き進むことができる。
そして、彼は定義づけができる。
文章を書くこととは、問いを発し、その問いに対して定義をし、その定義からまた問いを発することの連なり。
ゆえに、自分の解釈を短い言葉で述べる、自分なりの定義づけというのがとても重要なのでした。
言葉の量と精度があり、定義づけができるゆえに、彼は文章を書くことは得意なはずである、という確信を母はもっていました。
だからこそ、得意である、という自覚を本人に持ってほしかったのでした。
ゆえに、お題を指定し、時間を区切った中で書かせる、という鬼作戦に出たのでした。
結果、母の期待以上。
すかさずベタ褒め(笑)。
これで自信を持ってくれるといいな。
ということで、ムスコの作文ネタおしまい。
そして、この指導の過程で、母はあることに気がついてしまったのでした……。
つづく。
by e-sakamichi
| 2017-08-16 02:00
| 本 & ひとりごと
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