アンガーマネジメントとは


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毎日小学生新聞にて、アンガーマネジメントの特集がありました。

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アドラーはんによると、人間の悩みのほとんどは人間関係によるもの。
よって、子どもに身につけてほしいのは、
よりよい人間関係を構築するための技。

そう…「技」なのです。

例えば、相手にしてほしいことがあったとき。

いくら正しいことでも、言い方がよくなければ、波風が立つだけ。
正しいことを主張するだけでは通らない、ということです。

「正しいことを実行するためには、相手にその正しさがわかるように言わなければならない。
正義の主張を通すためには、技術が必要である。」(* 1)

これは、怒りについても同様。
怒るにしても、相手に伝わる怒り方という「技」が必要、だとわたしは思うのでした。

だけどね、学校ではもちろん、実生活でもなかなかこういう「技」を、意識することも学ぶこともない。

ゆえに、小学生新聞という子ども向けの媒体で、こういう特集をやることは素晴らしいと思ったのでした。
毎日小学生新聞さん、ナイスです。

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いつも怒っている人も うまく怒れない人も 図解アンガーマネジメント

戸田久実/かんき出版

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p 34 「アンガーマネジメントは、『怒りで後悔しないこと』という意味です。」

この定義、好き!

あんなに怒らなくてよかった、というのも後悔、
言っておけばよかった、というのも後悔。
よって、「アンガーマネジメントは怒りで後悔しないこと」という定義は、すごく実践的だと腑に落ちたのでした。

だって、怒りってコントロール(制御)するものだ、怒ってはいけない、と思ってたでしょ。
そうじゃないんだよ、ってこの本でも言っています。

(蛇話:そういう意味では、毎小新聞の冒頭の「怒りの感情をコントロールする」という一文は、少し違うと思う。)

p34「『怒ってはいけません』『怒りを我慢しなさい』ということではなく、

怒る必要があるときには適切な怒り方ができるようになり、
怒らなくてもいいことには怒らないですむようになろう、

ということを目指しています。」

そして、アンガーマネジメントは実践あるのみ。

p 32「アンガーマネジメントとは、
怒り感情と上手に付き合うための心理教育・心理トレーニング」とあるように、
怒りと上手に付き合うには、トレーニングが必要なのでした。

そのためにこの本では、まずは怒りの特徴を知ろう、というところから話が進んでいきます。

怒りについての正しい知識を、こんなに論理的に詳細に教えてくれる人なんて実生活ではいないからね。この章はすごくよかったです。

怒りについての正しい知識を得ること、
怒りの扱い方を学び実践することは、

自分のためだけでなく、子どもに説明するときにも有効でした。
そして、親子で実践しながら、双方が、怒りに対処できるようになっていけるのでした。

すると、親子関係がとってもよくなるにょ。
反抗期のお子さんをお持ちの親御さんにもおススメよ。

そういう意味で、
自分のためにも、子どものためにも、おススメ度の高い一冊なのでした。


--- 参考文献など ---

* 1

アドラー博士の子育て5原則 (サンマーク文庫)

星 一郎/サンマーク出版

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p 228「●正義の主張を通すためには、技術が必要である。

自分で選択できる力や、自分で生きるたくましさを身につけるためには、具体的な技術が必要です。

たとえば『フレンドリータスク』にうまく対応するためには、話し方の技術をもたなければなりません。
そうでなければ、人と仲よくして、協力し合える関係をつくることができないからです。」


この本では、子育ても技術と言い切っている。そこも好きポイント。

だって、技術だと割り切ると、
「わたしの性格が〇〇だから……」みたいに、無駄に自分を責めることがなくなるんだもん。
やれることをどんどんやっていく、ただそれだけだ、と割り切ることができるんだもん。
そして、それが確実に成果になることを実感できるんだもん。

「第5の原則

子育ては、理屈より実践。
精神論より技術」



by e-sakamichi | 2017-02-21 06:00 | 本 & ひとりごと | Comments(0)

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