この石垣は…(くらし部門)

トンボ写真鑑賞会 @ ふじのくに地球環境史ミュージアム の 道中のお話。

ふじのくに地球環境史ミュージアム付近の住宅街。
この住宅街の石垣が、皆さん同じような感じなのです。
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石が丸くて人頭大なの。
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石垣イチゴの石垣は、こんな感じだったのかしら?

現在はブロックに置き換えられているけど、昔はここらへんにあった石を使って石垣をつくりイチゴを栽培していた。
その石の大きさに似てると思ったのでした。

シロウト考察の仮の答え:
ふじのくに地球環境史ミュージアム付近の住宅街は、有度丘陵の一部である。
よって、この住宅街の石垣に使われている石は、石垣イチゴの栽培に使われていたのと同じ、久能山層の礫。

あくまでもシロウト、そして仮。
決して宿題などのあてになさらぬよう(笑)。

そして、どなたか詳しい方ご指導ください!!!

以下詳細。長くなりますので、お好きな人だけ。

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この石垣は…(くらし部門)_e0201060_08292501.jpg
まずは石垣イチゴの説明から。

石垣イチゴとは、
静岡市駿河区西平松から清水区駒越までの久能海岸沿い東西 8 km にわたって、有度山(日本平)の南斜面で石垣を利用して栽培されているイチゴのこと。(Wikiより

温室のない時代、石の輻射熱を利用したのが始まり。
歴史は古く、明治の 29 年から 行われている →
今は成形されたコンクリート板を使って栽培されています。
この石垣は…(くらし部門)_e0201060_08303272.jpg
上から見た図。
これが海岸沿いに東西 8 km にわたってだから、大規模なのがわかるら。

では、なぜここに、石垣にできるような石ころがたくさんあったのか?

それは、このイチゴ栽培がおこなわれている ”有度丘陵” の成り立ちが関係しているのでした。


地形観察ウォーキングガイド―地形を楽しむコースマップ付き

目代 邦康/誠文堂新光社

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p 70
「有度丘陵は、静岡と清水の街の間にある、小さな丘陵です。
北側の斜面は、なだらかですが、
南側は一転して急な崖がそそり立っています。

・石垣いちごの石垣

有度丘陵を作る地層には、こぶし大から人頭大の石ころが多く含まれています。
それが土石流となって海岸沿いの低地に運ばれてくるため、
この地域の人は、それらを使って石垣を組んでいちごの栽培を始めました。

狭い土地を有効に使い、さらに石垣が太陽の熱で暖められるため、ほかの場所より早く出荷できたのです。
こうして石垣いちごは、生産を拡大していきました。

この石垣の石ころは、元々は安倍川の扇状地をつくっていた地層です。

この付近の地下はこの石ころからなっています。
普通ならば地下を掘り返さないと石ころは使えませんが、ここでは扇状地が隆起し丘陵となったため、土石流が発生するたびに、石ころが運び出され、利用することができたのです。」




p 102 「13 日本平と久能山 隆起した安倍川の三角州

みどころ 静岡市の海側で駿河湾に面する有度丘陵は、山頂部が平らなことと、山頂部からのながめがよいことから、日本平とよばれています。

有度丘陵の南側は切り立った崖がつづき、海に面して久能山東照宮があり、春先にはイチゴ狩りでにぎわいます。」


⑥久能山層の底

「この上の礫層は、有度山をつくるおもに礫層からなる地層で、久能山層とよばれます。(中略)

久能山層は根古屋層の礫層に比べて礫が大きく、いろんな大きさの礫がふくまれます。
この礫層は、かつての安倍川の河口扇状地から三角州に堆積したと考えられています。

久能山層が堆積した後、有度丘陵は有度山を通る南北方向の軸を中心にして、隆起してきます。
そして、現在の三保半島とその内側の折戸湾の関係と同じように、丘陵の東側が半島として突き出して、その北側に内湾がができました。

その内湾に海が入り、草薙付近を中心に泥や砂が堆積しました。
この地層は草薙層とよばれ、これにはカキなどの貝化石が含まれています。
その後、この内湾は、礫層によってうめられました。
この礫の地層が小鹿層で、丘陵北側の斜面をつくっています。」

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シロウト要約すると、

有度丘陵は、いくつかの層がある。
根古屋層→久能山層→草薙層→小鹿層→国吉田層

久能山層は、安倍川の扇状地に堆積した礫が主の層。
久能山層は根古屋層の礫層に比べて礫が大きく、こぶし大~人頭大。。
この久能山層の礫を使って、石垣イチゴの石垣を組んでいた。

草薙層は、泥や砂の堆積物。
小鹿層は、礫層。

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ということは、この住宅街の石垣の石として考えられるのは、
×根古屋層
〇久能山層
×草薙層
〇小鹿層

小鹿層の礫の大きさの話が、ここではわからなかったので、久能山層と決めつけるのはダメかもなぁ……。

ということで結局、結論は仮のままなのでした。たはは。

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ちなみに、有度丘陵。
北側は緩やかなのに、南側が急。それは、南側は「海食崖」だからだそうです。
海食崖、ブラタモリで出てきたね^^。

有度丘陵、久能山東照宮もあるし、地学的にも面白いし、ブラタモリにピッタリだと思う。来ないかな(笑)。




by e-sakamichi | 2017-01-22 06:00 | 生き物 | Comments(0)

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