初めての作文系宿題 - 2

初めての作文系宿題の続き。

かずある作文系の宿題の中で、ムスメ 2 (小四)が選んだのは、家族への感謝を伝えるという作文。
家族の中で、お母さん=わたしに対する感謝の作文にしたい、とのことでした。

テーマは決まったけど、ここで注意すべきは、どういう視点で書くかということ。

「お母さん、おいしいご飯をいつもありがとう」みたいな文章だと、ありきたりすぎて面白くもなんともない、ということです(笑)。
よって、別の視点が必要になります。

じゃぁ、どういう視点で攻めるのよ?

これを、こども一人で考えるには、まだ視点のバリエーションが足りないのでね。
いや、足りないというより、子どもの中にあることはあるんだよね。
ただ、そんな不真面目な視点で書いていいの?と自制しているだけ(笑)。

だから、どういう視点で書くか、というところは、対話でもって引き出していきます。

ムスメの言葉に、お母さんが復唱や質問を重ね、そこにまたムスメが言葉を重ねる。
そこで本人がおもしろそうだ!ということに着地できたらOK。

あくまでも、決めるのは本人。
親は、復唱や質問によって、こどもが言葉を精査する手助けをするだけ。

視点が決まったら、エピソード、つまり自分の経験を引っ張ってきます。
まずは、どんどんどんどん出すことが重要。

どんどんエピソードを出す段階では、キーワードを出すだけ。
これを、箇条書きで書いていたら、つながりが見えないし、発展性もないからね。
ここはやっぱりアィデアマップの手法です。

アィデアマップを書いたら、いったん文章にしてみました。
この段階では、書くことが多すぎて、つながりが悪い文章になっています。

よって、ここからガンガン削っていきます。
鬼の削りタイム(笑)。
ここで、必ずいったんは、しょぼくれます、泣きます(苦笑)。

だけど、四年生ともなると立ち直りも早い。ほら、忍耐力がついてるから。
ゆえに、しょぼくれタイムを乗り越えたら、あとは頑張れますよ。

書きすぎてつながりがわるくなっていたエピソードを、切ります。
文字通り、紙を切ります。捨てます。
そうやって、文章を絞り込んでいくのです。

そして、残したエピソードも、言葉を精査していきます。
このとき、子どものくちからは、すらすらといい言葉があふれ出てくるのに、
それをいざ紙に書きだそうとすると、子どもって覚えていられないのよね。
書くスピードが遅すぎて。

ゆえに、ここは、「イタコ作戦」。
イタコとは、霊を自分に憑依させて、霊の代わりに語る巫女さんのことね。
つまり、子どもがくちにしたことを、母が代わりにに記録するという作戦です(笑)。

そうすることで、子どもからあふれ出た、いい言葉を逃さずに文章にすることができます。
下書きの段階で母の字が入っているのは、そういう「イタコ作戦」によるものです。
決して、母が考えた文章ではありません。

そうやって、出しては切り、残しては精査し、を繰り返して、文章をつなげていきます。
文章の切ってつなげては、文字通り、紙を切ってつなぐ。
ゆえに、下書きが終わった段階は、ひとつながりになっており、巻物のようです。
初めての作文系宿題 - 2_e0201060_22550867.jpg

(蛇足:文章を切ってつなげる作業は、パソコンだと容易なのにね。手書きだと大変)

この過程が、ほんとに時間がかかる。3時間ぐらいかかってますよ。

でもね、時間はかけます。
子ども自らが持っている気づきと言葉が、ほんとにいいもんだということを、子ども自身に知ってほしいから。

だからね、怒りませんよ。せかしませんよ。
(わたしも成長したものです、笑)

いい言葉や文章がでたときには、すかさずハイタッチ。
このときの子どもの表情は、ほんとにいいです。

そうやってハイタッチを繰り返すことで、言葉にすることの楽しさを、子どもは知っていきます。
だから、あんなにしょぼくれてても、やり遂げることができるのでした。

本文を書き終えたら、ここでやっとタイトルを決めます。
作文のタイトルは、①ありきたりでなく、②ネタばれせず、③読んでみたいと思わせるものでなければなりません。(今回だと、「お母さんありがとう」みたいなタイトルはバツということです)(* 1)

よって、タイトルは後でつけるほうがいいんです。
本文のキーワードを一緒に確認して、本人がタイトルを決めました。

こうやって、ようやく下書きが完了したのでした。

清書に入る前に、最後にする作業は、改行の確認。
ひとます下げるところに、赤ペンで印をつけておきます。
これをやってないと、清書のときに、「あ!ひとます下げてない!」って、消して書きなおすという、無駄な手間が生じます(経験すみ)。

清書で注意すべきは、一点のみ。
濃い字で書くこと。

薄い字は、読みにくいのです。いくらいい文章でも、まず読む気にならない。
そして、自信がなさそうに見えます。
それに、選考する段階でコピーをしますのでね、薄い字だとコピーに堪えないのです。

ゆえに、濃い字で。

こうやって、午前中いっぱいかかって、作文が完了したのでした。
ムスメ 2 、お疲れ様。わたし、お疲れ様。

じつは、双子のもう一人も、今年は読書感想文、つまり作文系に初挑戦したので、これと同じようなことを、すでに一回やっていたのでした。わたし、ほんとにお疲れ様。

今回、読書感想文と作文、両方の指導をして気がついたのは、書きやすいのは意外にも読書感想文じゃないか、ということ。

引用する文章があると、それを土台として自分の経験を乗っけて思考を発展させることは、やりやすい。

だけど、何にもないところから積み上げていくのは難しい。
とくに、自由課題の作文となると、土台となるものが何にもないんで、ほんとに難しいと思います。

だから、書きやすいかどうかという視点で行くと、読書感想文の方が書きやすい、と思ったのでした。
あんなに嫌っていたのにね、読書感想文(笑)。


--- 参考文献 ---
* 1

お父さんが教える 作文の書きかた

赤木 かん子/自由国民社

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「p 76 題名も内容の一部です。

『題名』は、実はかなり大事な要素です。
(中略)
普通、人はまず題名を見て、中身を読もうかどうしようか決めるものでしょう?
なので、人にへ~読んでみようかな、と思ってもらえるような題名がいい題名だということになります。

かといって、題名でネタバレしてもいけません。

分類するのに楽で(ということはみんながつけそうなありきたりの題名はやめる、ということですね)、
興味を引いて読んでみようかなと思わせて、
なおかつそこに答えが書いてあってはいけないのです。
(中略)
ですから、題名は、(中略)作文ができあがって内容ができてからでもいいのです。」





by e-sakamichi | 2016-08-13 06:00 | 子ども | Comments(0)

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