図書館 - 19 / 4) 同時並行
2016年 08月 07日
考察シリーズ、「図書館の活用法と効用」。
2. 学び方
1) あたりをつける
2) チェックする場所
3) アウトプット
4) 同時並行
5) 体験と重ねる
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4) 同時並行
本を読むときは、何冊か並行して読みます。
同時並行で読むことの利点は、3 つ。
① 飽きずに読める
② 違う分野との共通点を見出せる
③ 言葉の微妙な差異に気がつくことができる
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① 飽きずに読める
同じ本ばっかり読んでると飽きます(笑)。
よって飽きたら、まったく違うテーマの本を読んだり、難易度の低い本を読んだり、絵本を読んだりします。
そうやって気分転換しながら読むと、長時間本を読んでいられます。
だから、本は同時並行で。
② 違う分野との共通点を見出せる
そして、まったく違うテーマの本を読んでいるのに、あれ?同じこと言ってる!ということがあります。
今、わたしが読んでいるのテーマは「考えること」の本なのですが、気分転換用にと新着コーナーで水彩画の本を借りてみました(* 1)。
そこに書いてあった言葉が
「絵を描き出すと風景でも静物でも
描く対象として意識した途端に今まで見えなかったものが見えるようになります。
つまり何気なく見過ごしていた世界が意識できるようになるのです。
興味を持つと言う事はそういう事であり、興味がなければどんな素晴らしい存在であろうと意識することは無いのです。
絵を描くことの素晴らしさは自分が置かれている世界を知ることなのです。」
これって、考えることと同じじゃないですか!(笑)
普段の生活でも、考える対象として意識した途端に今まで見えなかったものが見えるようになる。
つまり、何気なく過ごしていた日常が意識できるようになるのです。
興味を持つと言う事はそういう事であり、興味がなければどんな素晴らしい存在であろうと意識することは無いのです。
考えることの素晴らしさは自分が置かれている世界を知ることなのです。
ね、言い換えられるら!(笑、再)。
そして、この文章は知識の話のところで書いた、例のメガネの話にも通じるのです(* 2)。
初めにのところでも、
「発見することは意識する事と同義です。(中略)
意識できたものは絵に描くことができます。
意識できないものはその存在を理解できない状態ですので描きようがないのです。」
あぁ、なんて素敵な文章だぁ(うっとり)。
そして、これまた新着コーナーで、タイトルだけ見て内容も確認せずに借りた本の中で、
「(児童文学は)一見不幸と見えるなかに、よく目を凝らすといっぱい喜びが潜んでいること、幸福がうごめいていることをちゃんと取り出して書いている。」(* 3)
という言葉にであったのです。
これは、日常生活にある幸福を発見するためには意識すること、その意識の仕方を児童文学は教えくれる、という主旨なのですが、
幸福も、描くこと・考えること・知識と同様に、「意識しないと見えない」という点で共通しているのでした。
そして、この児童文学の本の中でも、メガネというキーワードが出てきたのでした。
全く違う分野の本を読んでいたはずなのに、求めていた言葉がここにもあそこにもあった、と嬉しい偶然に一人ニヤニヤ(* 4)。
違う分野でも共通する考え方を見つけ出すことができる、これも同時並行の効用(* 5)。
だから、違う分野の本を同時並行で。
③ 言葉の微妙な差異に気がつくことができる
同じ分野の本を、複数冊、同時並行で読むこともあります。
このときも、一冊読んで次の一冊、という読み方ではなく、こっちを読みつつあっちも読む、というやり方です。
同じ分野の本で、違う方が書いた本を並行して読んでいると、同じ趣旨の文章を見つけることが多々あります。
その同じ趣旨とは、その分野の大事なところ、と捉えることができます。
また、同じ趣旨でも、違う方が書くと言葉選びが違うのでね、その違いを楽しむこともできるのです。
よって、言葉の微妙な差異に気がつくことができるとでした。
だから、同じ分野の本でも同時並行で、なのです。
以上が同時並行の利点。
そして同時並行で読むには、量が必要になります。ここでもやはり、本は量なのです。
ゆえに、本は図書館で(笑)。
--- まとめ ---
本は、同時並行で。
同時並行の利点は、
① 飽きずに読める
② 違う分野との共通点を見出せる
③ 言葉の微妙な差異に気がつくことができる
--- 参考文献など ---
* 1
この本を読んでいると、本当に描けるような気になります。それぐらい、論理的で説得力のある文章ということ。
だって、初めにのところで、
「結論から言うと絵が好きならば才能や感性には関係なく描けてしまいます。(中)
努力や厳しい鍛錬は必要ありません。
ほんのちょっとの小学生の理科の観察力を刺激するだけで十分なのです。」
と言い切ったうえで(笑)、
絵を描くうえで越えがたいハードルは 2 つだけだ、と続くのです。
説明文も、シロウトのわからないことや陥りやすい間違いを、論理的に指摘してくれているので、とてもわかりやすい。
そして、「楽しく上達するためのコラム」などに散りばめられたこの方の文章が、とても素敵なのです。今回引用したのも、そのコラムから。
この方のモノの見方、絵に対するあり方…つまりこの方の「観」が好きなんだな、と思う。
* 2
* 3
この本、今回のシリーズで引用度の高い本。
新着コーナーで、タイトルに引かれて借りた本でした。だって、幸福に「驚く」なんですよ!
気がつくでも、探すでも、意識するでもなく、「驚く」なんです。もう、その言葉選びにキュンときました。
で、読んでみたら、やっぱりよかったのです。
いくつかの講演をまとめた講演集ゆえに、同じ趣旨の話が何回か出てきますが、微妙に言葉が変わっていることも読んでいて勉強になりました。講演集、つまり話し言葉ゆえに、言葉も平易でわかりやすい。
そして、違う目的で話しているのに行き着くところは同じということが何回かありましたのでね、この方の「観」がとても見えやすい本だったのでした。
* 4
考えてさえいれば、つまり、問いを持っていれば、全く違う分野の本を読んでいても、その答えを見つけることができる。
そして、複数の違う分野の本で、同じ趣旨のことを見つけることができる、ということを確信したのは、アゲハのサナギの不思議さを思っていたとき。
この「違う分野でも同じ趣旨」に気がつくようになると、考えることが楽しくなる。
「サナギから学んだこと」シリーズ
序論 :乱読のセレンディピティ → ★
1 :サムシング グレイト → ★
2 :草木国土悉皆成仏 → ★
3 :八百万の神 → ★
4 :自己超越 → ★
5:センス オブ ワンダー→ ★
6 :図太くたくましく→ ★
* 5
セレンディピティとは、思いがけないことを発見する能力。
つまり、求めていたところと違うところで、求めていたものに出会う、ということ。
「乱読をしていると、化学反応がおこる。」
思いもしない相互作用がおこる、ということ。
これは、今回の同時並行読書の利点②になります。
ちなみにこの方、この本のあとに「乱談のセレンディビティ」という本を出してらっしゃってね。
乱読は、う~ん違うかも、やっぱり乱談だよ!みたいなことをおっしゃってました(笑)。
乱談とは、違う分野の人が適当に雑談すること。
乱談によって、思いがけない発見をすることができる、という主旨の本でした。
斜め読みですが(笑)
--- おまけ ---
この絵、上手だら(笑)
だって、見ながら描いてないもーん。
写真をトレース(しかも、トレーシングペーパーを使って)という、ずるい技を使っております(笑)。
ブログでこういうふうに挿絵を使うのは、写真が使えないからという理由のみなんです。
写真が入らないと、スマホでブログが表示されたときに格好がつかない。
だけど、本の写真を撮るのは著作権がもにょもにょ、という理由があるので、絵を使う。
今回は絵を描くこと自体が目的でないので、ずるい技を使ってちゃっちゃと描いてみたのでした。
by e-sakamichi
| 2016-08-07 06:57
| 本 & ひとりごと
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