図書館 - 2 / 考える力を養う

考察シリーズ、「図書館の活用法と効用」。
まずは序論として、なぜ本なのか?というお話から。

「自分の考え方やあり方を深めるために必要なのは、言葉。
より精度の高い言葉を獲得するためには、本を読むことが一番。」というのが前回のお話。

今回は、考える力について。

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自分の考えやあり方を突き詰めていくにあたって、一から自分で考えることはとても非効率(* 1)。
よってまずは、先人の知恵、つまり本の力を借りるのです(* 2)。

本を読むこととは、考え方を知ること。

そこに、自分が求めていた考え方がある場合もあるけれど、そうじゃなくてもいいんです(* 3)。

違っても、否定はしません。保留にしておきます。後からわかることもあるからです(* 4)。

そして、違っていたとしても、「じゃあ、自分の考え方はどうなんだろう」、という問いをたて、自分なりの答えを出していくとです。
その繰り返しによって、自分の考えの精度があがる。
その繰り返しによって、自分の考えがぶれなくなる。

ここで、ネットでも考え方って得られるでしょ、という反論があるかとおもいます。
しかし、ネットの情報は断片的ゆえに、あぁそうだねという「感」は得られるけれども、自分の生き方の軸になるような「観」にまでは育たないと、わたしは思います。

だからね、やっぱり本。

そしてまずは、質よりも量。
本をたくさん読むことによって、たくさんの考え方に触れることが重要。
だから、本はたくさん読みましょう(笑)。

本の力を借りて、考える力を養っていきます。
そうすると、本がなくても、考えることができるようになっていくのです(* 5)。

そもそも、なぜ考える力が必要なのか?

学校のオベンキョーでは答えは一つかもしれないけれど、実生活では答えが一つでないことのほうが多いからです(* 5)。

ゆえに、自分で考えて自分なりの答えを見つける力が必要なのです。
すぐに答えがでなくていいんですよ。そして、答えは一つじゃなくてもいいんです。

そもそも、学校のオベンキョーでは、問いそのものが人任せ、与えられるままでもあります。
しかし、実生活、社会生活においては、問いそのものを自分でたてる必要もあるのです(* 6)。

よって、実生活に必要な「考える力」とは、自ら問いを立て その問いに自ら答えていくこと、なのでした。

その考える力を養うために、本を読む(* 7、* 8)。


--- まとめ ---

本を読むことは、考える力を養うこと。
考える力がつくと、答えのない問題に直面しても、自分で答えを探すことができる。問い自体を自ら立てることができる。

--- 参考文献など ---

* 1

5日間で「自分の考え」をつくる本

齋藤 孝/PHP研究所

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「最初からオリジナルを目指すと、どうしても薄っぺらくなる。」

* 2

世の中への扉 図書館のトリセツ

福本 友美子,江口 絵理/講談社

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「あなたが名探偵なら、本はたよりになる助手です。
自分ひとりの頭で考えられることには限りがありますから、どんどん助手の力を借りましょう。
ほかの人の考えを知ることによって、可能性はぐんと広がるのです。」


* 3

哲学のモノサシ

西 研/日本放送出版協会

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p 17 考えることのおもしろさ
「だれかの本を読みながら、じぶんがなんとなく考えていたことがハッキリ書かれているのに、大きくうなずくこと。」

自分がうすぼんやりと考えていたことに、ぴたっと当てはまる言葉を本で見つけたときは、ホントに嬉しい。


* 4

人生を面白くする 本物の教養 (幻冬舎新書)

出口 治明/幻冬舎

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p 24 「誰かの話をちょっと聞いただけで『分かった』と思うのは安易な解決法です。(中略)
自分の頭で考えて本当に『そうだ、その通りだ』と腹の底から思えるかどうか(腹落ちするかどうか)が大切なのです。(中略)
心の底から『分かった』と思えない間は、『そういう考え方もあるのだな』という状態で保留扱いにしておきます。否定もしません。結論を急いで『分かった』と思おうとするのは間違いのもとです。」


* 5

あらゆる本が面白く読める方法―万能の読書術

一条 真也/三五館

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「自転車でたとえれば『他人にものを考えてもらう』読書とは、補助輪のようなもの。
補助輪を使ってでも、自転車の運転に慣れてしまえば、そのうち補助輪は不要になり、『自分でものを考える』ことが可能になる。」


* 5

コクヨ式 机まわりの「整え方」 社内で実践している「ひらめきを生む」3つのコツ

齋藤 敦子/KADOKAWA/角川書店

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「もともと人間は、一人ひとりがとてもクリエィティブな生き物。
ところが学校に入って『答えはこれ』と一つの解答を求められるような教育を受けているうちに、いつの間にか画一的な思考をするようになっていきます。」


* 6

「こども哲学」で対話力と思考力を育てる (河出ブックス)

河野 哲也/河出書房新社

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「問いを立てることは、もっとも重要な知的活動です。問いを立てた時点で、解答はある程度見えているとさえ言えるくらいです。

通常、教師が学校で与える問題は、解答しやすいように、あるいはひとつの解答が与えやすいように構造が整序され人工的に設定されています(中略)。

現実には、すぐに何が問題かを発見できるような単純な状況はありません。
問題の定まっていないオープンな始まりから、結論が完結しないオープンな終わり方をするのがこども哲学です。」


* 7

ちくまプリマ―の巻末の言葉

「『何のために「学ぶ」のか』

大事なのは知識じゃない。
正解のない問いに直面したときに、考え続けるための知恵である。」

* 8
p 108 「知識をちゃんと知恵に生まれ変わらせたかい?」

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読書ノートには、本を読んだそのときに感じたことや考えたことを、memoという形で書いています。
自分の言葉や体験に置き換えて、さらに自分なりに発展させたことも書いているので、考えを深める際のネタ元になるのです。



by e-sakamichi | 2016-07-29 07:02 | 本 & ひとりごと | Comments(0)

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