「カラスの教科書」「川を旅する」

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「カラスの教科書」読みました。


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37 mm と、思いのほか厚かったけど、
面白いからサクサク読めちゃった。

カラスの教科書

松原 始/雷鳥社

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”面白い” には、
interesting (興味深い)と funny (お馬鹿な)の二種類があるけど、
この本には両方含まれているの。
だから、「へ~」あり「アハハ」ありで、サクサク読めちゃう。

プロフィールからして笑えた。

「カラスに燃え、カラスに萌えるカラス馬鹿一代。
カラスに関しては仕事もオフも関係ない。
趣味を何か一つだけと聞かれれば敢えて言おう。
カラスであると。」

100 % カラス馬鹿なお方(失礼、笑)。

カラスの生態だけでなく、
動物行動学者の生態もわかるのが面白い。
(もちろん、interesting だけでなく funny 多々あり)

この本を読んだら、カラスが愛らしくさえ思えたのに、
こんな日に限ってカラスが見れず。
がっかりさえしている私がいました。
たはは。

「第二章 カラスの餌と博物学
・太陽と狼とカラス -神の使いか、魔女の眷属か-

日本では「勝てない相手はお祀りして暴れないようにする」というのが基本だから、
作物を荒らされないよう、
カラスのご機嫌をとっておくという意味もあったかもしれない。」

勝てない相手はお祀りして暴れないようにする…って(笑)。
でも、日本の信仰って これが多いなって納得。

「第三章 カラスの取り扱い説明書
・それはゴミではありません

赤やオレンジ系の色がみえるところを狙うという。
肉や果実の色だからだろう。
ミカンの皮を外側に入れておくのは「ここを狙え」と教えるようなものだし、
茶色のストッキングも狙っていたという。」

ミカンの皮は、外から見えないように捨てよう(笑)。

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川を旅する (ちくまプリマー新書)

池内 紀/筑摩書房

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ドイツ文学者の方だけあって、文章が緻密。
言葉選び、文章運びのお手本になる本。
だけど、そこに情緒も入ってくるから読みやすい。

例えば、「序章 思い出のある川」の「多摩川」の項では、川と子育てを重ねてる点が、興味深いなと思った次第。

川といえば、石ころしか頭にない私なので、
川と人の生活について描かれたこの本は、川への興味が深まるよい本であった。


とはいえね、
雑誌に連載していた記事が本になったものゆえ、
ずっと読んでると飽きる(失礼)。

(補足:雑誌に連載する上では、
限られたページでお話が完結するようにできてるでしょ。
それが、本になると、各項目で話が完結してしまうため、
次の項目につながらないの。

よって、「ほうほう、それでどうなるの?」という
先を読みたい感が薄い。
ゆえに、読み飽きる。私の場合は。)

よって、読みたいとこだけ拾い読み。

p 101 二点間の最短 狩野川(静岡県)
p 106 富士の湧水 柿田川(静岡県)

「p 110 黄金の谷 大井川(静岡県)

大井川の上流部は、むかしは黄金の谷だった。
(中略)

この川がながらく渡船・架橋を禁じられたのは、
奥の谷筋を警戒してのことかもしれないのだ。
(中略)

大井川の川筋には古くからお神楽が伝わっていて、
その一つに「金丸の舞い」というのがあるそうだ。
まっ赤なお面をつけて踊る。
眉をさかだて、頬をふくらまし、力み返った異貌である。
そんな顔つきからも、火やフイゴ、金属とかかわりのあることが見て取れる。
同じ大井川一帯に伝わる神楽でも、金山とかかわりのあった村にだけ金丸の舞いがあるらしい。
(中略)

井川ダムの東は笹山から下ってきて
智者山、大日峠、勘行峰、山伏岳、そして天狗石山とつづいている。
その名からも、この辺りが山伏や修行者たちによってひらかれたことがうかがえる。
(中略)

山伏は宗教者の一方で、山に眠る鉱脈に通じた特異な技術者集団だった。
回峰行の名のもとに、くまなく山を歩いて、ひそかな宝を見つけ出した。」








by e-sakamichi | 2015-12-09 06:00 | 本 & ひとりごと | Comments(0)

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